人は「一人、二人」と数え、猫は「一匹、二匹」と数えますが、うさぎや箪笥(タンス)の数え方はどうでしょうか?
日常生活で使われるさまざまな物には、それぞれ異なる数え方が存在します。
このたびは、普段はあまり聞くことのない数え方の単位をクイズ形式でご紹介します。
ぜひ、自分の答えが正しいかどうかこの機会に確かめてみてください!
うさぎ
うさぎは「一羽、二羽」と数えられます。
その理由にはいくつかの説があります。
一つには、肉食を禁じられている仏教の僧侶が、うさぎを鳥類とみなして食用にしたため、このように数えるようになったという説があります。
また、うさぎの長い耳が鳥の羽に似ている、骨格が鳥類に類似しているといった理由からこの数え方が生まれたとも言われています。
箪笥(たんす)
箪笥は「一棹、二棹」と数えます。
この数え方の由来は、江戸時代初期に使用されていた移動式収納具「車長持」に関連しています。
江戸の大火の際、車長持が道を塞いで多くの犠牲者を出したため、その使用が禁止されました。
その代わりに、棹を使って持ち運ぶ収納法が普及し、その影響で棹を通して運ばれる箪笥も「棹」と数えられるようになりました。
蟹(カニ)
蟹は「一杯、二杯」と数えます。
この表現は、蟹の甲羅が丸く、容器の形をしていることから来ています。
生きている蟹は通常「一匹、二匹」と数えますが、調理された後は「一杯、二杯」と数えるのが一般的です。
たらこや明太子
たらこや明太子は「一腹、二腹」と数えます。
これは、スケトウダラから取り出される卵が基本的に左右の二本セットであるためです。
そのため、卵二本を一腹とし、一本だけの場合は「半腹」と呼ばれます。
神さま
神々の数え方は「一柱、二柱」とされています。
その由来については、はっきりとした説明が存在せず、いくつかの理由が考えられています。
例えば、自然現象や物体に神が宿るとされていた古代に、木や石の柱が神の象徴とされたためという説があります。
また、建築物の大黒柱に神が宿るという信仰や、古墳時代に天皇が亡くなる際にその魂を祀るため柱を立てた儀式が由来ともされます。
お守りやお札
お守りや御札は「一体、二体」と数えられます。
これは、お守りや御札が神仏の力を宿すものとして、神仏の「体」と見なされるためです。
神々が自然界に存在するとされがちでしたが、時が経つにつれ、人工の物にも神が宿るとされるようになりました。
これらは神の依り代であり、神の存在の一部として扱われます。
位牌
位牌は「一柱、二柱」と数えます。
これは、神々を数える方法から来ており、故人の魂を象徴する柱として扱われているためです。
位牌の数え方は宗派によって「一体」「一座」などと異なる場合があります。
遺骨
遺骨も「一柱、二柱」と数えられます。
これは、故人の霊魂を象徴する柱として、遺骨を数えることが一般的であるためです。
蝶々
蝶々の数え方は「一頭、二頭」とされます。
これは英語の影響が強いとされています。英語で家畜を数える際に「head」という単位が用いられることから、動物園などで展示される動物全般にこの単位が使用されるようになりました。
特に西洋の動物園でよく展示される珍しい蝶々に対しても、学術的な文献で「head」と表記されることが多く、その訳語として日本では「頭」とされたと言われています。
一般的には「匹」と数えることも多いです。
刀
刀の数え方は「一振り、二振り」と表されます。
これは刀が主に振るための武器であることに由来します。
他にも「腰」と数えることがあるのは、腰に下げることから来ていますし、「本」は物の形状が細長い棒状であることから来ています。
白菜やキャベツ
白菜やキャベツの数え方は「一玉、二玉」とされます。
これは、カットされずにそのまま販売される場合、球状の形をしているためです。
同様に球状に丸まる葉物野菜も「玉」と数えます。ただし、単体の葉を数える場合は「枚」とし、栽培途中のものは「株」と数えます。
ざるそば
ざるそばの数え方は「一枚、二枚」とされています。
これは、そばを盛る竹製のざるを数える際に用いられた表現が由来とされていますが、詳細な由来は定かではありません。また、「一丁、二丁」と数えることもあります。
琴
琴の数え方は「一面、二面」とされます。
これは、琴や琵琶など弦が張られた楽器、または太鼓のように皮が張られた楽器が表面で音を出すためです。
「張」と数える場合もあります。
三味線
三味線の数え方は「一棹、二棹」とされます。
これは三味線の柄の部分を指す「棹」という言葉に由来しています。
テント
テントの数え方は「一張、二張」とされます。
これはテントを設営する際にフレームに幕を張る行為から来ています。
「張る」という行為に関連しています。
豆腐
豆腐の数え方は「一丁、二丁」とされます。
これは江戸時代に豆腐が「2つで1セット」として販売されたため、その名残からです。
現代では豆腐一つを「一丁」と呼び、パック詰めされたものを「1パック」と数えます。
バイオリン
バイオリンの数え方は「一挺、二挺」とされます。
これはバイオリンを演奏する際に用いる弓が、弓矢の「挺」と同じ単位で数えられることから来ています。
また、バイオリン自体の形状が細長いため、「挺」という単位が適用されることも理由の一つです。
チェロやビオラも同様に「挺」と数えることがありますが、一般的には「本」とも数えます。
ハサミ
ハサミの数え方は「一挺、二挺」または「一丁、二丁」とされます。
これは、ハサミが二つの刃から成るため「丁」と数えることがあります。
「挺」は細長い棒状の物、手で操作する道具を数える際に使われる単位です。一般的には「本」と数えることもあります。
鳥居
鳥居の数え方は「一基、二基」とされます。
これは鳥居が土台がしっかりとしており、動かすことが難しい構造物であるため、「基」という単位が用いられます。「基」という漢字には「土台や根拠」という意味があります。
墓
墓の数え方は「一基、二基」とされます。
これは鳥居と同様に、墓石がしっかりとした土台に設置されるため、「基」という単位で数えられます。
これにより、墓石が確固たる場所に存在することを示します。
高い山
高い山は「一座、二座」と数えられます。
これは山が大きくそびえ立ち、動かないためです。
また、古くから山には神が宿るとされ、「座」という単位が用いられるようになりました。
山が大きく座っているように見えることから、「座」と数えるようになったとも言われます。
箸
箸の数え方は「一膳、二膳」とされます。
これは鎌倉時代に一人用の食事セットとしてお膳が使われるようになり、そのお膳に一組の箸が含まれていたためです。
割りばしを数える場合には「一膳」とも「一本」とも言いますが、菜箸や火箸などの調理用箸は「一具」や「一組」と数えることが一般的です。
生花
生花の数え方は「一輪、二輪」とされます。
花が開く様子が車輪のように円を描くことから「輪」という単位が使われます。
開花している花を「一輪」と数え、蕾の場合は「個」や「つ」と数えることがあります。
ただし、花が束になっている場合は「束」と数えることもあります。
粉薬
粉薬の数え方は「一包、二包」とされます。
これは粉薬が小さな袋に包まれて販売されることが多いためです。
その他の形状の薬では、錠剤は「一錠」、カプセルは「一カプセル」、液体薬は「一服」と数えることが一般的です。
相撲の取組
相撲の取組の数え方は「一番、二番」とされます。
これは相撲の対戦回数を指すための助数詞です。対戦ごとに「番」と数え、その他相撲に関連する用語として「枚」が番付に、「手」が技に、「場所」が興行に用いられます。
いか・たこ
いかやたこの数え方は「一杯、二杯」とされます。
これは、いかやたこの形状が杯に似ていることから来ています。
生きている状態では「一匹、二匹」と数えることが一般的ですが、調理された後は「一杯、二杯」と数えます。
羊羹
羊羹の数え方は「一棹、二棹」とされます。
この数え方は、羊羹が長く棒状の形状をしていることから「棹」と数えることになりました。
羊羹と同様に、その他の棒状の和菓子も「棹」と数えられることがあります。
短歌(和歌)
短歌の数え方は「一首、二首」とされます。
これは中国の古典詩である漢詩の影響を受け、詩の一篇を「首」と表現することから転じて、日本の短歌も同様に「首」と数えるようになったためです。
詩の個々の篇を尊重する文化が背景にあります。
鏡餅
鏡餅の数え方は「一重ね、二重ね」とされます。
これは、鏡餅が重ねられた形状をしており、その層ごとに数える方法です。
この数え方は、重ねる文化から来ており、物理的な重ね合わせを表現しています。
真珠の重さ
真珠の重さの数え方は「一匁、二匁」とされます。
この単位は、かつて日本で用いられた重量単位「匁」が由来で、特に真珠の取引において重さを示す際にこの単位が使われます。
真珠以外ではあまり使われない専門的な単位です。
仏像
仏像の数え方は「一尊、二尊」とされます。
この「尊」は、仏像や仏様を敬う意味合いを含む単位で、仏像を尊重し、神聖な存在として扱う文化が背景にあります。
仏像一体を尊重して「一尊」と数えるのが一般的です。
ぶどう
ぶどうの数え方は「一房、二房」とされます。
ぶどうは房状に実がなるため、この形状を表す「房」という単位で数えられます。
果実が一つずつではなく、ひとまとまりの房として成長することが由来です。
ウニ(棘のある状態)
ウニは「百足、二百足」と数えることもあります。
これは、ウニの体に多くの棘があることから、小魚を百尾一束で数える「百足」と同じように数えることがあるためです。
ウニの棘が多いことを表現する際に用いられる数え方です。
鰹節
鰹節の数え方は「一節、二節」とされます。
これは、大きな魚を四つに切り分けた際の一部を「節」と呼び、それを数える際に用いる単位です。
鰹節は魚の節を乾燥させたものであるため、この数え方が採用されています。
織物
織物の数え方は「一反、二反」とされます。
この単位は、特に着物などを仕立てるのに必要な長さの織物を指し、一反が着物一枚分の長さを表します。
これは織物が通常、長い一本の布として管理され、特定の長さで切り分けられるためです。
劇団
劇団の数え方は「一座、二座」とされます。
「座」という単位は、昔から演劇や興行を行う集団を指す言葉として使われてきました。
一つの劇団を一つの集まりや組織として見ることからこのように数えることが一般的です。
数珠
数珠の数え方は「一連、二連」とされます。
これは数珠が連なっている珠の形状から来ています。
一連の数珠は一つの完全なサークルを形成し、その連なりを数える際に「連」という単位が用いられます。
門松
門松の数え方は「一門、二門」とされます。
これは、正月に家の入り口に設置される門松が通常一対で飾られるためです。
一対の門松を設置することが一つの完全な装飾と見なされ、「門」という単位で数えます。
鎧
鎧の数え方は「一領、二領」とされます。
「領」という単位は、鎧が全身を覆う一揃いの衣類であることから来ています。
昔の衣類や装束を数える際にも「領」という単位が用いられたことから、鎧も同様に数えられます。
将棋・囲碁の勝負の回数
将棋や囲碁の勝負の回数は「一局、二局」とされます。
「局」という単位は、一回のゲームや試合を意味するため、将棋や囲碁などの盤上ゲームで一つの試合を指す際に使用されます。
この単位はゲームの完結性を強調するために選ばれています。
寄付・宝くじ・株
寄付や宝くじ、株の購入は「一口、二口」とされます。
「口」という単位は、最低購入単位や寄付単位を指し、これが投資や寄付の一単位とされることが多いです。
特に宝くじや株式では、一口が一定の金額や株数を表します。
折り鶴(おりづる)
折り鶴は、「一羽、二羽」と数えます。
折り紙で作られた鶴を数える際には「羽」という単位が使われます。
おはぎ・ぼたもち
おはぎやぼたもちは、「一個、二個」と数えます。
これらの和菓子は形が丸いため、「個」で数えるのが一般的です。
メガネ(眼鏡)
メガネは、「一本、二本」と数えます。
眼鏡はフレームが棒状に見えるため、「本」という単位で数えるのです。
風船
風船は 「一個、二個」と数えます。
風船は形状が丸いため、「個」として数えられます。
ケーキ
ケーキは、「一切れ、二切れ」と数えます。
ケーキについては、切り分けて提供されることが多く、「切れ」という単位で数えることが多いでしょう。
ビール(瓶)
「一本、二本」と数えます。
飲料の瓶は長い形状をしているため、「本」として数えられます。
人形(にんぎょう)
人形は、「一体、二体」と数えます。
人形は形が人間の体に似ているため、「体」と数えるのです。
鍵(かぎ)
鍵は、「一本、二本」と数えます。
長さがあるものや棒状のものを「本」として数えるため、鍵も「本」と数えるのです。
まとめ
面白い数え方に気付きましたか?
同じ物でも、その状態によって数え方が変わったり、さまざまな数え方があったりします。もし全てが統一されていれば、もっとシンプルで便利だと感じることでしょう。
しかし、これらの数え方にはそれぞれに由来や理由がありますので、それを理解しながら少しずつ覚えていくのも面白いかもしれませんね。