盆期間中、日本ではさまざまな伝統的な慣習が行われます。
特に、精霊馬や提灯を飾ったり、迎火や送火といった儀式を行うことが一般的です。
また、祖先を迎え送りする際には、迎え団子や送り団子という特別な食べ物を供える風習もあります。
この記事では、迎え団子と送り団子に込められた意義や、その形、数量について、また供え方について詳しく説明します。
迎え団子と送り団子とは?
迎え団子は、盆に帰ってくる祖先の魂を迎えるために供える団子で、祖先が長旅の疲れを癒やし、楽しい盆を過ごせるようにとの願いが込められています。
送り団子は、祖先の魂があの世に戻る際に供えられる団子で、あの世へのお土産として持ち帰るためのものです。
供え団子とは?別名もある?
一部の地域や家庭では、迎え団子や送り団子のほかに「供え団子」というものも供えます。
これは、盆の間家に滞在する祖先の魂に供える団子で、祖先がゆったりと過ごせるよう願いが込められています。
この供え団子は、「お供え餅」「落ち着き団子」「ゆっくり餅」「おもてなし団子」とも呼ばれています。
2024年に迎え団子・送り団子・供え団子をお供えするならいつ?
2024年のお盆における迎え団子、送り団子、供え団子を供えるタイミングについて説明します。
お盆の期間には、特定の日にこれらの団子を供えるのが一般的です。
「迎え団子」はお盆の開始日に、「送り団子」はお盆の終了日に供えられます。
また、「供え団子」はお盆期間中のいつでも供えることができます。
お盆の具体的な日程は地域によって異なり、多くの地域では8月15日を中心に、一部の地域では7月15日を中心にお盆が行われます。
2024年(令和6年)のお盆の具体的な日程は以下の通りです。
7月にお盆を迎える地域では、7月13日から16日までの4日間にわたります。
この期間中に団子を供えるスケジュールは次のとおりです。
- 7月13日:迎え団子
- 7月14日と15日:供え団子
- 7月16日:送り団子
8月にお盆を迎える地域では、8月13日から16日までの4日間です。
この期間中に団子を供えるスケジュールは次のとおりです。
- 8月13日:迎え団子
- 8月14日と15日:供え団子
- 8月16日:送り団子
どちらの場合も、団子を供える具体的な時間に特定の決まりはありません。
迎え団子・送り団子・供え団子の用意について
迎え団子、供え団子、送り団子の用意方法をご紹介します。
迎え団子
これらの団子は、長い旅を終えて帰ってくるご先祖様の疲れを癒すために用意されます。
一般的に、甘い白玉団子が使用され、あんこやきなこ、甘いタレで味付けされることが多いです。
市販の甘い白玉団子を選ぶのも良いでしょう。
ご先祖様が到着されたときにすぐに召し上がっていただけるよう、事前に準備しておくことをお勧めします。
供え団子
供える団子は、白玉団子、みたらし団子、おはぎなどさまざまです。
新しい団子を日替わりで供えることもあれば、同じ団子を2日間続けて供えることもあります。
送り団子
送り団子は、ご先祖様が持ち帰ることができるよう、無味の白玉団子が一般的です。
通常、お盆の最終日に供えますが、地域や家庭によっては前日に供える場合もあります。
お盆が終わるとその意味を成さなくなるため、お見送り前に準備をすることが大切です。
迎え団子・送り団子はいつ下げる?片付けるタイミングと方法
団子を下げる時期は、地域や家庭によって異なります。
お供え後すぐに下げる
お盆の期間中は気温と湿度が高く、団子がすぐに傷んでしまうため、お供えした後はすぐに下げて食べることが多いです。
祖先への感謝の気持ちをもっていただきます。
翌日に下げる
団子を翌日に下げる家庭もあります。
団子が傷んでいない場合はご先祖様に感謝して食べますが、傷んでいる場合は半紙や白紙で包んで適切に処理します。
迎え団子はお盆の期間中下げずにお供えしておく
迎え団子をお盆期間中ずっと供え続ける習慣がある地域もあります。
この方法では、団子が傷んでしまう可能性があるため、お盆が終わった後には白紙で包んで処分することが一般的でしょう。
迎え団子を12日に、送り団子を15日に供える地域もあります。
団子の供え方
迎え団子、送り団子、供え団子を供える際の数や形に決まりはありません。
一般的には一口大の丸い団子を使いますが、平たくしたり、串に刺して供える方法もあります。
団子をピラミッド形に10個で3段、20個で4段として積み上げたり、仏教の六道や追善供養の十三仏にちなんで6個や13個を供えることもあります。
団子は通常、高坏に白紙を敷いた上に置かれますが、高坏がない場合は普通の皿に直接並べたり、白紙を敷いたりします。
まとめ
迎え団子と送り団子の意義が理解できたと思います。
長い旅を終えて疲れたご先祖様のために甘い迎え団子を用意し、あの世へ帰る際には味付けをしない送り団子をお土産として準備するのは、祖先への深い配慮が感じられますね。
お盆の習慣は地域や家庭によって大きく異なります。
自分たちの家でどのように行えばよいか迷った時は、親戚や近所の人に相談してみるといいでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。