「春を待つ 事のはじめや 酉の市」という句があります。
これは、松尾芭蕉の弟子である其角が詠んだ句で、年の瀬からお正月を迎える準備を表現したものとして有名です。
今回は、2024年の酉の市の日程や、熊手がなぜ縁起物とされているのか、そしてその由来や意味について詳しく解説します。
酉の市とは?
酉の市は、関東を中心に行われる商売繁盛や開運を祈願するお祭りで、11月の酉の日に開催されます。
この日には、飾りが付いた縁起熊手が売られ、威勢の良い掛け声や手締めが飛び交う、活気あふれる年中行事です。
江戸時代から続く伝統のお祭りで、今も多くの人々に親しまれています。
酉の市で有名な神社やお寺としては、以下の場所があります。
大鷲神社(東京都足立区):酉の市発祥の地とされる神社
鷲神社(東京都台東区):日本最大規模の酉の市が行われる神社
長國寺(東京都台東区):浅草の酉の市発祥の地とされるお寺
これらの神社やお寺は、酉の市の由来とも深く関わりがあります。
酉の市の由来
酉の市には、神道と仏教の両方の影響があると言われています。
神道由来
鷲神社は、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祭神として祀っています。
東夷征討を成功させた日本武尊が、11月の酉の日に鷲神社でお礼参りを行ったことが、酉の市の始まりだと伝えられています。
また、大鷲神社では、秋の収穫祭が関連しているとも言われています。
仏教由来
長國寺では、日蓮宗の開祖である日蓮上人が国家の平安を祈願していた際、鷲妙見大菩薩が現れたという伝説があります。
これに由来して、11月の酉の日に長國寺で菩薩の開帳が行われ、これが酉の市の始まりの一つとなっています。
2024年の酉の市の日程
2024年の酉の市は「三の酉」の年にあたり、次の日程で開催されます。
- 11月5日(火)
- 11月17日(日)
- 11月29日(金)
「三の酉」とは?
昔は、日付を十干と十二支で組み合わせて吉日や行事の日を決めていました。
そのため、11月に酉の日が3回ある年が存在し、「三の酉の年は火事が多い」と言われていましたが、これは遊郭近くで賑わいが増すための言い伝えだったとも言われています。
熊手が縁起物とされる理由
熊手は、爪が曲がっている形状から「福や運をかき集める」とされ、縁起物として酉の市で売られるようになりました。
さらに、鷲の爪に似ていることから「福を鷲掴みにする」という意味も込められています。
まとめ
酉の市は、11月の酉の日に行われる、商売繁盛や開運を祈願する伝統的なお祭りです。
熊手が縁起物とされる由来には、さまざまな説がありますが、江戸時代から現代まで続く文化として、多くの人に親しまれています。
今年もぜひ、酉の市に足を運んで、その賑わいを楽しんでみてください。