「灯篭流し」はどうしてやるの?流した後の対応方法は?

8月

「灯籠流し」とは、日本の夏に行われる伝統的な風習です。

この記事では、「灯籠流し」の起源やその意義を深掘りします。

また、この行事がどのように始まり、終了後にはどのような手順で処理されるのかを詳細に解説し、この文化を多方面から理解することを目指します。

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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灯籠流しってなに?

「灯籠流し」とは、お盆期間中に故人の魂を彼岸に送り返す日本の伝統行事です。

この風習において、灯籠の光は霊界への道標となり、魂はその灯籠に乗り、川や海を下って冥界へと至るとされています。

灯籠流しは「送り火」としても広く知られており、夜に行われるこの行事では、点灯された多くの灯籠が水面を漂う様子が非常に神秘的で、観光客にも人気です。

しかし、地域によって灯籠の形やデザイン、メッセージの内容に違いがあります。

地域や人口構成によっては、灯籠流しを初盆を迎えた家族のみで行う場所もあれば、誰でも参加できるイベントとして開催される場所もあります。

最近では、お盆の「送り火」だけでなく、地域特有の目的を持って灯籠流しを行うこともあります。

例えば、大規模な自然災害の犠牲者を追悼するために行われることもあります。

同様の目的で行われる長崎の「精霊流し」は、船を使用し、爆竹を鳴らしながら行進するなど、華やかな祭りの要素を含んでいます。

灯籠流しの起源はどこ?由来は?

灯籠流しの起源については複数の説がありますが、一般的に日本での始まりは広島県とされています。

これには、広島への原爆投下という痛ましい歴史的背景が影響しています。

終戦後、広島の市民が原爆と戦争の犠牲者を悼み、復興と平和を願って川や海に灯籠を流し始めたと言われています。

一方で、灯籠流しの慣習は江戸時代にも存在しており、歳時記『華実年浪草』には白蓮の造花に火を灯して川に流す「水灯会」という行事が記されています。

また、日本だけでなく台湾や韓国、タイなどのアジア諸国にも似た文化があり、これらは中国から伝わったとも言われています。

実際に、中国の明時代の文献『月令広義』にも同様の風習が記載されています。

これらの情報から、灯籠流しの具体的な起源を特定するのは難しいものの、追悼や慰霊の意味を持つ文化として、古くから多くの国で行われていることが分かります。

灯籠流しの後片付けはどうしている?

現代の灯籠流しは、地域や自治体によって環境への配慮が進められています。

一般的に、流された灯籠は川や海の下流で回収されます。

1970年代以降の高度経済成長に伴い、環境汚染への意識が高まり、多くの地域で水域の保護が重視されるようになりました。

この影響で、灯籠流しは一部地域で制限されたり、水に溶けるタイプの灯籠が導入されたりしましたが、その水質への影響については意見が分かれています。

現在も水溶性の灯籠を使用している地域がありますが、多くの場所では灯籠を回収する方法が採用されています。

また、灯籠が広範囲に広がらないように川や海にロープを設置し、回収を効率的に行う工夫もされています。

過去には灯籠にお供え物を乗せて流す習慣がありましたが、現在ではお供え物を乗せずに流すように変更されています。

このような変化は、環境保全を優先しつつも、日本の伝統文化を守るための努力の表れと言えます。

灯籠流しの有名な場所

灯籠流しの主な開催地には以下のような場所があります。

「広島灯籠流し」

原爆投下で亡くなった人々を追悼し、世界平和を祈るイベントとして知られています。

嵐山灯籠流し

昭和24年から続いており、戦争で亡くなった犠牲者の慰霊を目的としています。

とうろう流し花火大会

福島市で開催され、灯籠流しと同時に壮大な花火が打ち上げられます。

長野県諏訪湖の灯篭流し

お盆の期間中に行われるこのイベントでは、湖面に無数の灯篭が浮かべられ、訪れる人々に感動を与えます。

この灯篭流しは、地元の人々によって故人の魂を慰め、安らかに彼岸へ送るためのものとされています。

鳥取砂丘の灯篭流し

こちらもお盆に行われるイベントで、砂丘に設置された灯篭が特有の幻想的な雰囲気を作り出します。このイベントは、自然との調和を大切にする地域の文化が反映されています。

岐阜県長良川の鵜飼い灯篭流し

鵜飼いのデモンストレーションとともに行われるこの灯篭流しは、地域の伝統文化と連携しており、多くの観光客を引き寄せています。

また、灯籠流しは世界各国にも広がっており、ハワイではメモリアルデーにライハナビーチで行われたり、ブラジルのレジストロ市では地域の風習として日本人の水難事故を追悼する形で行われています。

まとめ

「灯籠流し」とは、お盆期間に亡くなった人々の魂をあの世に送り返すための伝統的な送り火です。

この行事では、川や海に灯籠が浮かべられ、その美しい光景は観光やイベントとしても多くの人々に親しまれています。

また、大規模な災害で亡くなった人たちを追悼するために行われることもあり、環境に配慮して使用した灯籠は通常、回収されます。

全国各地で開催される灯籠流しには、参加者がそれぞれの思いを込めます。もし近くで開催される場合は、その感動を直接体験してみることをおすすめします。

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